今年も大宮のあちらこちらに桜がとてもきれいに咲いています。五年目の春を、利用者、職員みんな元気で迎えられたことに心より感謝しています。
五年目のはらからは、グループホーム増設、生活介護事業定員増員を行います。それに伴い法人運営のコンプライアンスの強化、はらからを利用していただく皆様に安心、安全で楽しく過ごしていただくための建物環境の充実に取り組みます。職員たちは、支援技術の向上のため、現場で役立つ技術の研修に取り組みます。いろいろな体験の中で変わっていった利用者の皆様の姿に、四年間の手探りの時期から一歩前に踏み出す事の大切さを感じています。『施設は五年ごとに良いようにも、悪いようにも変わっていく生き物なんだ。』とつぶやいた先輩施設長がいました。『これでいいんだ』と現状に甘んじることなく現場に立っていきたいと思います。
この春、二名の職員が未来に向かって旅立ちました。毎日学校帰りに五時から九時まで、利用者の方の身の回りの準備、お風呂の掃除、歯磨き、布団敷き、室内消毒など支援員の助手として働いてくれました。大学に合格し出発しました。もう一人は、コロナで留学先から帰国しグループホームで働いていた支援員が、復学のためオーストラリアへ旅立ちました。この二人との別れは、寂しいけれど、はらからにとって希望であり、未来に向かっていく若者たちを応援できたことは、みんなの誇りです。もう一人、はらからで誇りとする青年がいます。高校時代から支援員の助手を続け大学に進み、今では夜勤まで行い、利用者、職員からも信頼されています。はらからの支援理念の一つ『人の支援は関係作りから』を実践してくれた若者です。
実は、二月二十日~三月九日まではらからはコロナ感染症への対応に取り組んでいました。十九日に利用者一名発症。二十二日職員一名PCR検査で陽性者となり、二十六日利用者一名が発熱し、見なし陽性者となりました。三月九日全面解除。利用者職員みんなで一日一日すべての力を出してコロナに向かっていきました。初めてコロナ発症の現実を体験して混乱もありましたが、多くのものを学んだ日々でした。
コロナの感染を最小限で抑えられたことは私たちに力を合わせることがどういうことかを教えてくれました。地域の皆様、行政の皆様、保健所の皆様、病院関係の皆様、たくさんお世話になりました。私たちは多くの皆様に支えられ生きていることを改めて気づく事ができました。こころから感謝と御礼を申し上げます。五年目のはらからはコロナから学んだ多くの力を携えて福祉サービス事業へ臨んでいきます。これからもよろしくお願い申し上げます。
四月、新規職員を十一名迎えます。それぞれの職員が利用者さんたちとどんなドラマを展開していくのか、とても楽しみです。
令和4年4月10日 代表理事 槌屋久美子
「はらから」には、「同胞」「同じ腹から生まれた」という意味があります。
私たちはみんな同じ腹から生まれた仲間です。
障がいのある人もない人も、みんなが笑顔で楽しく暮らしていける我が家をつくりましょう。
新着情報
- 2022.04.10
- 広報紙「はらから第10号」発行
- 2022.01.28
- ブログを開設しました
- 2022.01.17
- グループホーム3.4番館 上棟式
- 2021.11.03
- グループホーム3.4番館 地鎮祭
- 2021.10.10
- 広報紙「はらから第9号」発行
- 2021.04.10
- 広報紙「はらから第8号」発行
- 2020.10.28
- グループホームはらから3番館・4番館のご案内
- 2020.10.10
- 広報紙「はらから第7号」発行
- 2020.07.01
- 法人本部と相談支援事業所の住所が変わりました
- 2020.04.10
- 広報紙「はらから第6号」発行
- 2020.02.07
- 「とりあえずHPエピソード大賞2019」の準グランプリ受賞
- 2019.10.01
- 広報紙「はらから第5号」発行
- 2019.05.25
- 第6回NPO法人はらから定期総会開催
- 2019.05.15
- 千葉市ゆうあいピックへ参加しました
- 2019.04.10
- 広報紙「はらから第4号」発行
- 2019.03.28
- はらから・和音開設一周年記念パーティーが行われました。
- 2019.01.10
- 広報紙「はらから新年号(第3号)」発行
- 2018.12.25
- デイサポート和音でクリスマス会が盛大に行われました
- 2018.11.14
- 短期入所の見学会を行います。
- 2018.08.01
- 広報紙「はらから第2号」発行
- 2018.05.20
- 第5回NPO法人はらから定期総会開催、 リーフレットが新しくなりました。
- 2018.05.16
- 千葉市ゆうあいピックへ参加しました
- 2018.05.04
- 和音の日中活動が活発になってきました!
- 2018.04.10
- 広報紙「はらから第1号」発行
- 2018.03.01
- 相談支援事業所の事業所名が変わりました。 NPO法人はらから地域相談支援事業所ここから →相談支援事業所ここから
- 2018.03.01
- グループホームはらから、デイサポート和音開所
- 2018.01.15
- 「とりあえずHPエピソード大賞2017」の佳作受賞
- 2018.01.04
- 内覧会のご案内
- 2017.12.16
- リーフレットを新しくしました
- 2017.11.05
- 第4回NPO法人はらから定期総会開催
- 2017.09.20
- 新規事業スタッフの募集を始めます
- 2017.09.18
- 10月1日よりグループホームの入居申込受付を開始します
- 2017.09.01
- 地鎮祭が執り行われました
- 2017.08.03
- 新規事業予定地の開発許可が下りました
- 2017.08.01
- 地域相談支援相談支援事業所「ここから」開設
- 2017.07.01
- 法人事務所を緑区おゆみ野南より東山科町へ移転
- 2017.06.25
- 第3回NPO法人はらから定期総会開催
はらから物語2
はらから物語
現在はらからでは、利用者様29人、職員60人が生活や活動を通して一緒に暮らしています。毎日毎日いろいろな出来事が繰り広げられ、はらはらどきどき、利用者さんのお昼寝の顔にほっと笑顔がこぼれます。『今生きているこの笑顔だけで幸せだね』という職員の声に背中を押されます。
コロナ禍の生活も長くなりました。日々の小さな出来事に訳もなく不安になり泣きたくなる。つらくて苦しくてたまらなくなる。みんな一緒にいるのにひとりぼっちを感じたり、近くにいる人に感情をぶつけてしまい怒り出す場面なども見られます。利用者さんに家族があり、職員にも家族があります。猫さん犬さん、今はペットも大切な家族です。はらからにつながりのある人たちを数えるとすごい人数になりました。それでも、毎日不安な日々を生き抜いています。暮らしていく生きていく生活していくと言うことはこの繰り返しなんだと思えるようになりました。何年も前にテレビで見たホームドラマのようです。
高齢の職員が多いはらからでは、物忘れは『普通』です。鍵を忘れる、一つのことで行ったり来たり、時には忘れたことをごまかす事も、はらからでは不思議とこれがまかり通っているようです。本当に利用者さんは心が広い。若い職員たちはあきらめムード。よくつきあってくれているけれど、一緒に暮らすと言うことはこういう事かもしれません。ぶつぶつと毎日小言を言っている方も、偉そうに堅い話を何度も繰り返している方も、職員を指で指図して動かしている利用者の方も、はらからではありのままの日々を重ねています。
はらからの秋の食卓では、栗、梨、カツオ、新米のおにぎりを食べました。次はどうしても高いサンマを食べようと狙っています。
令和3年10月10日 代表理事 槌屋久美子
共に生きる
『共に生きる』 私は、この言葉とともに福祉の道を歩いてきたと思っていました。
はらからが始まって3年、コロナ禍の1年間この言葉がどういう意味なのかわかっていなかった事を、つくづく思い知らされる日々です。共に時を過ごしてきた人たちと会えない、両親、子供、孫、大切な人、いつも会っていた人、そばにいてくれた人に会えない、この奇妙ないつもと違った日々が続き、利用者の皆様がどんな変化を起こすのか、心配でした。住まいがあり、食があり、身近に支援者がいて、日々は淡々と過ぎていきました。1日1日を『命さえあれば』と、緊張した日々が続いています。それでも、笑顔で挨拶してくれる利用者の表情は、緊張した職員の気持ちを和らげてくれます。私の心配をよそに利用者は淡々と日々を乗り越えているように見えます。
広報誌の中に、はらからが大切にしているコーナーが有ります。利用者おひとりおひとりを取り上げた『ヒストリー』です。生まれてからずっと一緒に過ごしてきたご家族からの聞き取りを、これから共に生きていく職員たちが行います。今まで共に生きてきた家族の方から利用者の今までの人生を教えていただく、職員にとっては、大切な時間です。利用者おひとりおひとりの人生を引き継ぐ時間です。
令和3年4月号の聞き取りが終わったお母様から大切なメッセージをご紹介します。『やっと、生まれてきたこの子に障害があるとわかってとても悲しくて苦しんだのよ。その時、私の父から言われたの、この子を粗末にしたらおまえは罰が当たるぞ、この子を大切にしっかり育てろ、と言われたの、それで目が覚めて、それからは一生懸命今まで頑張ってこられたのよ。』お父様への感謝のお言葉でした。
お爺様はお母様を励まし、お母様は私たちを励ましてくださっているように聞こえました。コロナは、確実に利用者と私たち職員に、共に生きる日々を積み重ねてくれています。
はらからの役割は、『ご家族から、親御様からおひとりおひとりの人生を引き継ぎ共に生きていく事』このことを改めて宣言して前に進みます。職員集団は、技術も知識もまだまだ未熟です。 だからこそ一歩一歩を大切に努力を惜しまず利用者と共に歩いて行きます。いつかきっと、まっすぐ一緒に歩いて行くことで『共に生きる』という意味を見つけたいと思います。
令和3年4月10日 代表理事 槌屋久美子
白いブランコ
ピヨピヨのはらからも、3回目の秋を迎えようとしています。始まったばかりの頃みんなで植えた草木が根を張って花を咲かせ、枝を広げてくれています。その庭に先日、ブランコができました。ある利用者と早速腰を下ろし揺れてみました。その利用者がいつの間にか歌を歌い出しました。しばらくその歌を聞きながら揺られていました。二人が、初めてはらからに来たときは、二人ともお互いのことを何も知らない初めてのおつきあいでした。きっと心細かっただろうなと思いました。それが今は、話をしなくても一緒にブランコに乗ると歌を歌ってくれる。『お知り合い』になったんだと思いました。気心が知れて『安心して暮らす』と言うことはこういうことなのかもしれないと思いました。
福祉の職員は、たくさんの利用者と支援という仕事を通じて知り合います。その利用者のことを知っておく理解しておくことは大切です。アセスメントと言う情報、面談聞き取りたくさんの資料を作り準備をしてお迎えをしますが実際は、暮らしてみなければわからない事がほとんどです。雨の日も風の日も、災害の夜も、コロナ渦の中も、利用者とともに積み上げていく日々がとても大切に思えます。今はらからは、若い職員を中心に今までの記録の整理をしています。2年半、1000日の手書きの記録です。未熟でも、言葉が少しおかしくてもこつこつ刻んだ記録には、確実に振り返りの大切な発見が読み取れます。利用者一人一人のことが少しわかってきました、利用者にとってはそれぞれの職員の『おひとがら』がだいぶわかってきたようです。
これからその安心できるお知り合い同士、利用者と職員、ブランコに揺られながら秋を大いに楽しんでもらいたいと思います。
代表理事 槌屋久美子
大切な日々
はらからは、世界中に広まっている新型コロナウイルスの流行の影響で慎重に慎重に毎日を過ごしております。利用者、家族、職員、みんなが我慢を試されているような、マスクの工夫、手洗い、施設内の消毒、検温、水分補給、運動、食事のバランス、換気、できる限りの予防対策を行い、じっと過ぎ去るのを待つ日々です。どうか、どうか、みんなが元気で一日一日が過ぎますようにと思う日々です。
何もない日々の大切さは、東日本大震災を経験した人たち皆さんが口にされる言葉です。今私たちははらからの日々の中で利用者一人一人がそれを教えてくれます。ご両親が高齢で感染が心配され帰宅できなかった利用者の方がいました。両親にはお電話で様子を知らせたりしていましたが、どちらも会えない日々が長くなり気落ちの落ち込みが見られたため外出しない約束で利用者の方を家まで送りました。そのとき、その利用者の方が見せた仕草に私たちはびっくりしました。その利用者が送って行った職員に深々といつまでも頭を下げるのです。こんなに会いたかったんだ。在宅でご両親と五八歳まで暮らし、グループホームに入居された方です。当たり前のことですがその姿に胸が熱くなリました。
親が子に会いたい、子が親に会いたい。このささやかな思いを大切にしてあげなくてはいけないのだと改めて思います。はらからは、四〇歳以上の中高齢者のグループホームを作っていきます。親子の時間を応援できる支援ができるようになりたいと思います。翌日、様子を見に行くと親子三人でテーブルを囲みお茶を飲んでいらっしゃいました。何もない毎日こうやって親子でご飯を食べ、テレビを見て、笑って、怒ったり、泣いたり、喧嘩したり、毎日が何もない大切な日々です。改めて幸せのあり方を教えていただいた気がします。
代表理事 槌屋久美子
新年あけましておめでとうございます。
昨年は、開所以来多くの皆様に応援いただき夢中で過ごしてきたはらからです。いっぱいお世話になりました。心より感謝申し上げます。まだまだ未熟なはらからですが、みんなで力を合わせて頑張りたいと思います。今年もよろしくお願い申し上げます。
昨年は、開所の年ということもあり、まずは生活介護和音とグループホームの体制作りに取り組みました。
何から何まで初めての事、本当に『私たちは何も知らなかったんだ』と思う場面が多く反省ばかりの日々でした。東山科へ毎日の歩行、地域の公園への歩行、地域新聞のポスティング、自立課題への取り組み、草山の除草から始まった畑作業、それぞれの活動やグループホームでの生活のあり方が定着してきたのは秋頃でした。保護者の皆様へ思いや地域の皆様とのかかわりなどが、なかなか取り組めませんでした。そんな反省の日々の中、暮れになって、地域の自治会館へ挨拶に伺うと『みんなよく歩いているね。』『みんな挨拶してくれるよ。』『一生懸命話してくれる。』『みんなが笑っていて気持ちがいいよ。』『歩いて来るのを楽しみにしているよ。』と思いもよらないお言葉をいただきました。利用者の懸命に歩く姿を見守ってくださっている地域の皆様がいました。あー私たち職員が気が付かないことを利用者がやってくれていました。これが地域で暮らすということ『地域交流』だと思いました。重度の障害を持った利用者が、地域で暮らすという意味が少し見えてきた瞬間でした。
すべてのことは、利用者が教えてくれます。私たち支援者は、一人一人の利用者と正面から向き合うことを大切に今年も歩いていきたいと思います。はらからの歴史は始まったばかりです。一日一日の生活を大切にみんなで生きていきたいと思います。日々の出来事ではらからの歴史を作っていきましょう。
平成31年1月10日 代表 槌屋久美子
平成30年度スタートに寄せて
はらからがオープンして一ヶ月が経ちます。毎日何を食べさせようか、洗濯、掃除、着るもの、履くもの、ゆっくりお風呂に入れているか、眠れているか、うんこが出ているか、水分は取れているか生活のことに追われている毎日です。
昔、ずっと昔、私が障害児の施設で働いていたころ、昭和四十年代のお話です。八木先生は開襟シャツに三角巾を頭にかぶりスタスタと二寮の中をあっちへこっちへと動き回り働いていらっしゃいました。その姿が今でも目に焼き付いています。口癖は、「生活が大事なの」でした。あの頃私は若くて子供たちをどうやって遊ばせようか、どうしてどこにも遊びに連れていけないのか、そんなことばかり考えていました。今、はらからがオープンして一ヶ月、八木先生の「毎日の生活が大事」あの言葉が身に染みています。トイレ掃除は一日三回、毎食後の排泄の後、朝は子供たちが外へ行くと、窓を全開にして寮全体の掃除、布団干し、子供たちが帰ってくると、おやつ、入浴、手洗いや歯磨き、当時は足洗いもありました。靴もよく洗いました。寮の奥に古い洋服ダンスが並べてありました。小綺麗な服、下着から上着、靴まで子供たちの名札を付けて、外出着が季節ごとに入れ替えて下げられていました。外出や通院時は、きちんとした服装で、畳み上げからワックスまで何から何までやりました。それが生活を支えるということだと分かったのは、本当につい最近です。
出来るだけ普通の生活をさせたいということ、それが私たちの仕事です。はらからは当たり前の生活を大切にしていきたいと思います。地域の皆様、家族の皆様、スタッフの皆様、よろしくお願いいたします。
春野菜が安くなってきました。本当に助かります。キッチンスタッフの作る料理に感謝しています。ありがとうございます。
代表理事 槌屋 久美子
【ここから】です
【ここから】にはたくさんの思いが詰まっています。
【ここから】で地域相談支援事業を始めます。
障害のある方が、未来への一歩を踏み出せるように【ここから】応援します。
はらからの思いがカタチになっていくことを、【ここから】支えます。
はらからで働く人が、はらからの利用者の笑顔を守れるように、【ここから】支えます。
障害のある人もない人も、はらからで働く人もそうでない人も、家族も家族ではない人も、地域の人もみんな、はらからの笑顔を【ここから】支えます。
【ここから】の庭にはたくさんのお花を咲かせていきたいと思います。
世界で一つだけの花をたくさん。



