7月11日グループホーム女性の利用者3名が発熱、コロナ抗原検査(+)すぐに借りてあった一軒家へ隔離、最初の一夜を一緒に過すことになりました。3名それぞれに行動障害もあり身体的にもハンディーをお持ちでした。どうなることか不安もありましたが利用者を信じて支援体制が決まるまで私が見ることになりました。現在の限りある職員資源の中で、利用者の特性を理解している、コロナ感染の経験がありワクチン3回、抗体が一番着いているであろう、利用者が重症化した場合の判断責任者であることなどの条件から一番高熱が続くひと晩目を受け持つことになりました。
静養生活開始。寝床を本人の布団でそろえ、衣類を整理して必要なオムツや消毒液、ぺーパーやゴミ袋の設定を行い、職員の待機場所の設定、スポーツドリンクや麦茶、紙コップの用意など、防護服マスク、キャップ、フェイスシールド、記録場所の設定、基本のレッドゾーン、グリーンゾーンイエローゾーンの設定を行いました。体温計パルスオキシメータの設置場所を決め、一人で支援する場合のリスクを考えて、動線にあった消毒液、水分の置き場も決めました。
一人の場合、歩き回ることで利用者は不安になり動き回ることが見られます。できるだけそばにいてあげられる物の設定が必要と考えました。夜間は睡眠をできるだけ取らせる、クーリングをきちんとはめ込む、起きた都度水分を取らせる。失禁は覚悟する。着替えは目が冷めた時清拭タオルもセットしておく。眠っているときは見守る。3人を同時には見られない。優先順位を見極める。
まるでパズルをはめ込むような夜でした。それぞれが40度の熱が続き、なかなか動かず解熱剤で下がるもまた上がる。熱が下がらずアイスノンの換えがなくなると冷えたスポーツドリンクのペットボトルを脇に挟み、枕にしました。3名共に水分は体が求めるかのように、がぶがぶ二リットルのスポーツドリンクを飲み干してくれました。きっと熱は下がると確信した瞬間でした。
明け方しめったパジャマのぬくもりにたっぷりの発汗が見られ、37度台の熱で目覚めました。3名共に失禁は見られません。自分から支えられながらもトイレに向かわれました。朝食は座敷テーブルで足を伸ばして座り、それぞれしっかり食べることができました。
この3名は同じグループホームで過ごす仲間、顔見知りだったことも安心して一夜を過ごせた要因だったと感じました。
日中活動では歩く事をずっとテーマに活動してきました。普段の基礎体力が助けてくれました。てんかんやダウン症など基礎疾患を持ちながらも日々を楽しく積極的に生き抜いている利用者の底力を見せていただきました。ありがとうこれからも君たちを信じています。一緒に生きていこうね。
令和4年10月10日 代表理事 槌屋久美子